北海道観光ガイドブック

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2004年の相互学習会ガイドコースで学習した内容を、日中対訳の本にまとめました。
その一部をご紹介します。

第1弾 日中対訳 北海道観光ガイドブック【札幌編】 ~中国語通訳ガイドを目指す人のために~

観光都市、札幌。
年々、中国・台湾・香港・シンガポールなど、中国語圏からの旅行客が増える中、中国語ガイドの育成が急がれています。 一方、大学をはじめとして中国語を学べるところも、学習者も増加しつつあります。しかし、東京や大阪などの大都市と違って、地方都市での中国語学習は、レベルが上がるにつれて、レベルの維持と向上が難しくなっていきます。 優秀な人材は、効率的なレベルアップを求めて、中央へ流れてしまいます。それでも、地方都市で中国語の学習を続け、中国語を生かした仕事をしたいと考えている人は多くいるのです。

観光産業で成り立っている北海道において、中国語を生かした仕事のひとつに観光ガイドがあります。しかし、通訳案内業(ガイド)試験は、外国語学習者にとって最難関であり、合格を目指して勉強するだけで何年もの時間がかかってしまいます。 現実には、有資格者の数の少なさと、その経費が高いことから、ボランティアガイドを使う風潮にあります。しかし、旅行客から見れば、有資格者であれ、ボランティアであれ、求めるサービスの質は同じです。 観光の知識、それを表現するための語彙や言い回しなど、実際に仕事をして初めてわかる難しさがありますが、これまでは個人が自分だけの努力によってノウハウを蓄積し、サービスの質を高める努力をしてきたと言えるでしょう。しかし、将来的に需要が増えれば、「個人で頑張った人」だけを求めていては間に合わないのです。 中国語学習者がお互いに協力し合い、助け合って、「仕事人」としての実力を高めていければ…

私たち札幌中国語工房はこのような思いから、自主的に上級レベルの学習者による学習会を開催し、通訳案内業(ガイド)試験合格を目指すとともに、中国語を生かした仕事現場の情報交換や、人的ネットワークを広げようと活動を続けています。そしてこのたび、学習会ガイドコースでの1年間の学習成果として、本書を制作しました。すべて学習会参加者による手作りのコンテンツと翻訳です。

北海道で中国語を紹介するための一冊のガイドブックとして、個人的にもお楽しみいただけると思います。もちろん、より多くの中国語通訳ガイドの現場で活用していただければ幸いです。

本書「はじめに」より

サンプルページ

第2弾 日中対訳 北海道観光ガイドブック【観光会話編】 ~中国語通訳ガイドを目指す人のために~

北の大地、北海道。
観光立国を目指したビジットジャパン・キャンペーンの成果に より、北海道を訪れる観光客の層も国際色を増しています。2007年度には、海外観光客の上位が、1位:台湾、2位:韓国、3位:香港、4位:シンガポール、5位:中国となっており、中華圏からのお客様が大半を占めています(北海道経済部観光のくにづくり推進局・平成19年度北海道観光入込客数調査報告書より)。「北海道ブーム」の波で押し寄せたお客様を、2度、3度と訪れてくれるリピーターにするためには、雪や花などの景観や、農・海産物など自然を主とした観光資源だけに頼っていてはいけません。 豊かな北海道の自然が生み出す商品、それらを的確にPRするためには、地元の人的資源がサービスの要となります。

海外のお客様にはグローバルランゲージである英語で事足りる、と考える経営主体も少なくありません。しかし、アジア、特に中華圏のお客様には、英語圏の文化とはまったく異なる嗜好があり、配慮が必要です。 知識として勉強しただけではわからない部分も多くあります。中国や台湾に留学した経験のある人、長期住んでいた人など、積極的に中華圏の言語・文化を学んだ北海道の人材が、少しでも多く「仕事人」として現場に出て実際にお客様と接し、実務経験を積む必要があります。同時に、プロの仕事として適切な報酬を得ながら、自らの経験や能力を発揮し伸ばしていけるような環境作りが急務です。2008年夏には北海道地域限定通訳案内士試験も導入され、観光業界で中国語を生かして活躍する人材は今後も増え続けるでしょう。第二弾となる本書が、皆様の目指すゴールへの一助となれば幸いです。

本書「はじめに」より

サンプルページ

もくじ1
観光会話(大通公園)